トップページ > 家事事件 > 相続による預金払戻
相続が発生した場合、最初に考えるのが銀行預金の払い戻し(相続手続)です。しかしながら、銀行、ゆうちょ銀行、証券会社等に対する相続手続は、非常に難しいのが現状です。
なぜなら、各金融機関により、求める書類等が異なるからです。当事務所でも銀行等の相続手続の場合、事前にどのような書類が必要か確認し、預金払い戻しの相続手続を進めています。株式、債券などの証券会社に対する相続手続も同様に複雑です。
ここは、一般的に必要と考えられる書類、相続手続などについて説明します。
被相続人及び相続人の戸籍謄本
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本が必要です。これにより、相続人の範囲を確認することができます。また、相続人の戸籍謄本等も必要となります。
印鑑証明書
相続人全員の印鑑証明書が必要になります。金融機関によって発行日からの制限がある場合があります。だいたいは6ケ月以内の印鑑証明書が求められます。
遺産分割協議書があれば、それを利用します。相続に関して遺産分割調停等が行われている場合、調停調書の謄本を提出することにより預金払い戻しの相続手続を進めることができます。
しかしながら、遺産分割協議書が存在するとしても、金融機関によっては、各金融機関専用の所定の書面に署名・押印を求めることもあります。相続手続については、事前に各金融機関に相談することが望ましいでしょう。
法律的には、相続発生により、各相続人が銀行等の金融機関に対して払い戻しする権利が生じます。しかしながら、金融機関側は、後日の紛争回避のため、相続人全員による相続手続を求めてきます。
実務的には、相続人のうち1人からの相続手続(払い戻し)は難しいのが現状です。
もっとも、当職の経験では、証券会社に対し、少額の株式を有している場合、相続人の1人が、金融機関に対し「念書」を差し入れ、払い戻しを受けたケースもあります。最終的には、金額、各金融機関の運用によると思われます。
相続人が複数存在する場合、遺産分割の合意あるときでも、誰が代表して相続手続をするのか調整がつかないような場合も考えられます。そのような場合、第三者である弁護士に依頼することにより円滑に手続を進めることが可能になります。
金融機関に対する相続手続は、不動産相続手続より面倒で複雑です。
預金払い戻しの相続手続のための時間がない場合などは、一度ご相談ください。なお当職は、司法書士も兼業しておりますので相続登記手続きについてもワンストップサービスで対応が可能です。