トップページ > 家事事件 > 不貞行為慰謝料
不倫の相手に対して損害賠償請求をできるかという問題があります。
この点につき、裁判実務では、自己の配偶者が第三者と不倫をした場合、不倫の相手方に対して慰謝料請求をすることができます。
権利侵害される権利は、婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益です。
※不倫時、既に婚姻関係が破綻していた場合には、慰謝料請求は認められない可能性があります。
甲の配偶者乙と第三者丙が肉体関係を持った場合において、甲と乙との婚姻関係がその当時既に破綻していたときは、特段の事情のない限り、丙は、甲に対して不法行為責任を負わないものと解するのが相当である(最高裁平成8年3月26日)。
もっとも、不倫があったことを立証するのは容易ではありません。
具体的な立証方法としては、以下のようなものが考えられます。
慰謝料額は、当事者の具体的事情を考慮して判断されます。
相手方の不貞行為等によって精神的苦痛を受けた場合、その苦痛を慰謝するために損害賠償請求をすることができます。
慰謝料の算定については、離婚の有責性の程度、婚姻期間、子供の存在などが考慮されます。
もっとも、離婚に伴い慰謝料を請求する場合には、夫婦関係調整(離婚)調停の手続きのなかで話し合いをすることができます。
離婚の際の慰謝料は、明確な算定方法がなく個別具体的な事情による判断になります。
もっとも、裁判の実務では、
「認容額は500万円以下のものが86.8%と大半を占めている」
(【判例タイムズ】東京家庭裁判所における人事訴訟の審理の実情第3版86項)とされています。
現実的には、50~300万円位の範囲において、個別事情を検討し慰謝料額が決定されているケースが多いのではないかと思います。