性別変更|家庭裁判所での手続

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性別変更の手続きはどうするのか?

このページでは、性別の取扱いの変更の審判に関する手続について解説します。

正直なところ、当職も性別変更の審判に関与したことはありません。条文や裁判所のサイトを参考に手続について解説をしております。

ただ、修習生時代に家庭裁判所では、最近、性の取扱いの変更の審判の申立が多くなってきていると学んだ記憶があります。手続に関して、不安のある方は、ぜひ、ご相談ください。

性別変更の手続の根拠法令

根拠法は、平成15年に成立した性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律です。これにより、家庭裁判所に対して審判申立を行い、性別の取扱いの変更の審判を受けることにより性別変更を行うことが可能となりました。

性同一性障害者とは?

分かりやすく説明すれば、生物的な性別は男(女)であるのに、心理面においては女(男)であると確信をもっているような方のことをいいます。 法律上では次のように定義されています。

性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律 第二条
この法律において「性同一性障害者」とは、生物学的には性別が明らかであるにもかかわらず、心理的にはそれとは別の性別(以下「他の性別」という。)であるとの持続的な確信を持ち、かつ、自己を身体的及び社会的に他の性別に適合させようとする意思を有する者であって、そのことについてその診断を的確に行うために必要な知識及び経験を有する二人以上の医師の一般に認められている医学的知見に基づき行う診断が一致しているものをいう。

性別の取扱いの変更を受けるための要件

要件はどのようになっているのでしょうか。

法3条では、性別変更のための要件が規定されています。

4号は、子どもを産むための生殖機能を欠いていることという意味です。
5号については、女性(男性)としての性器外観を有していることを規定しています。

その他の要件(医師の診断書)

上記1~5号のすべてを満たすことに加えて、医師の診断書が必要です(3条2項)。
医師の診断書の参考様式、記載例については厚生労働省のホームページで情報開示されています。

性別変更の審判を受けたことによる効果

審判を受けることにより、民法等の規定の適用については、別段の定めがある場合を除き、他の性別に変わったものとみなされます(法4条)。

例えば、男性から女性に性別変更を行った者は、女性として婚姻をすることが可能になるということです。

性別変更の申立の相談

当事務所では、性別の取扱いの変更の審判の申立についての相談をお聞きします。

戸籍の取得等の資料収集のほか、申立書の作成においては、相談者様から、過去、社会生活を送るうえで困難であった事情等をお聞きし、申立ての理由としてまとめ、手続が円滑にすすむようにサポートします。